ビタミンE

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ビタミンE

著書:Orthomolecular Medicine for everyone 作者Abram Hofferを要約しました

歴史
1922年発見される
省略

天然と人工で構造が違うので注意
天然dαトコフェノール
人工dlαトコフェノール

吸収
胆汁酸によりミセルかされ腸管から吸収リンパ管へ
脂肪があると吸収されやすい(胆汁酸が分泌を促すため)

注意:胆嚢がない人は食後の胆汁分泌が少ないため吸収が悪くなる可能性がある
(胆汁が少ない人は脂肪成分の吸収が低下するので下痢傾向、脂肪便)

推奨量:400-800単位/日
最大量:1600単位/日

効果
1:組織の酸素要求量を減らす
2:ゆっくり血栓を溶かし塞栓予防
3:側副血行路の改善
4:創傷治癒時の瘢痕形成を抑制
5:糖尿病でインスリン必要量を1/4に減らす
6:筋肉パワーのアップ
7:毛細血管壁の強化
8:CRPの減少と他の炎症性マーカーの減少
9:前立腺癌・アルツハイマー病のリスク減少

効果の詳細
<心疾患>
心疾患はアメリカでは死因第1位で、ビタミンEによる疾病予防は重要である。Dr.シュッツらは3万人の患者に数十年に渡って調査研究した。
その結果800単位/日の天然ビタミンEを摂取した人が最大の効果を得たと報告した。Dr.シュッツらは「狭心症発作の予防はほぼ完璧に期待できる」と述べている。
彼らは1600単位/日まで増量し、急性冠動脈塞栓、リウマチ熱、慢性リウマチ性心疾患、高血圧に対し治療を行った。
New England Journal of Medicine(最も有名な医学雑誌)に二つの大きな研究報告があり、それは12万5千人の医療関係者が83万9千人の患者を治療した研究で、
100単位/日を飲んだ患者では心疾患のリスクを59-66%減少させた。イギリスのケンブリッジ大学の研究では、冠動脈狭窄症と診断された患者で、400−800単位/日を
内服することで心筋梗塞の発症を77%抑えたと報告されている。
ビタミンEは強力な抗酸化作用を持っており、LDLコレステロールの酸化を抑える。それは細胞膜を酸化から守ることであり、冠動脈の疾患の予防に重要である。さらに
ビタミンEには血液凝固を抑制し、プラークの増大や破綻を防ぐ。
さらにビタミンEにはジギタリスのような心拍を増強し、規則化する(800-3000単位/日摂取で)。心筋梗塞からの回復には1200-2000単位/日のビタミンEの内服が効果がある。
私(著者)の父は狭心症と診断されたが、1600単位/日を内服して以降、狭心症発作は起こらなかった。

<塞栓症>
50年以上前Tulane大学のDr.Altonは患者に高容量ビタミンEを与えたとこと血栓がほとんどできなくなった。スエーデンの研究では300mgの内服で血液検査のPT時間が延長した。
ビタミンEはPTを適度に延長させ血小板沈着を減少させる。製薬業界ではビタミンEの抗血栓作用は認知されている。抗血栓薬の代わりになり得る。

<高血圧>
研究によればビタミンEは血圧正常化にも効果がある。シュッツらは「100-800単位/日のビタミンE内服は心疾患のリスクを30-40%減少させる」とハーバード大学の雑誌に載せている。
高容量のビタミンEの内服で一時的に高血圧になることがあるので、徐々に増量することを勧める。

<血管病>
抗酸化作用によってビタミンEは血液疾患に最も保存的治療となり得る。

<肺保護>
ビタミンEは空気中でオゾンに対しラットを保護することがわかっている。人でも同様のようだ。

<アルツハイマー病>
コロンビア大学の研究では、アルツハイマー病の患者で2年間2000単位/日内服した患者は病気の進行を著名に遅らせた。セレジリンという薬よりビタミンの方が効いた。

<がん>
最近の研究で、結腸がん患者に2週間毎日ビタミンEを750mg内服させると、CD4:CD8比が増加し、抗がん作用のあるインターロイキン2とIFNγを産生するT細胞が増強された。
12人中10人で平均22%T細胞が増加した。著者は進行癌の患者でビタミンEの摂取は免疫機能を改善すると結論。この改善はたった2週間内服しただけということも付け加えておく。

<糖尿病>
ビタミンEは適当な血管拡張作用、側副血行路を発達させるなど糖尿病患者にとってとても有効である。Dr.シュッツらは800単位/日かそれ以上を使用した。100本以上の論文の著者であり、
その当時は裁判で「糖尿病患者においてビタミンEの使用による治療は有効でないと」されたが、38年後36人の1型糖尿病患者が非糖尿病患者と比べ網膜の血流速度が著しく遅く、
それがビタミンEの1800単位/日の投与で血流が通常に戻った。この研究の結論では「ビタミンEは潜在的にインスリン治療を行っている患者の網膜症や神経症に対し、リスクを減らすことができる」
という結論を提供した。

<てんかん>
抗てんかん薬を使用している子供は血中ビタミンE濃度が低下していた。これはビタミンE欠乏のサインである。トロント大学の医師らは数カ月にわたって400単位/日のビタミンEをてんかんの子供に投与した。
(通常の抗てんかん薬と併用して)。この治療によって60%以上の子供が痙攣の頻度が減少した。彼らの半数以上が90-100%痙攣発作を減少させた。副作用は認めなかった。この結果から子供への400単位/日
(大人でいう800-1200単位/日)の投与は安全であることが示された。

<未熟児網膜症>
酸素への過剰暴露が原因とされ、乳児の失明につながる。体重あたり100mg/kgの投与(大人でいう7000単位相当)が有効と言われている。報告によるとそれによる重篤な副作用は報告されていない。

<吸収不良症候群>
吸収不良の子供では脂溶性ビタミン(ビタミンE,A,Dなど)の吸収不良の問題がある。これは重大で神経障害を引き起こす。そのような子供には脂肪の消化を助けるリパーゼを含む消化酵素とともに水溶性ビタミンEの摂取が有効である。
クローン病と嚢胞繊維症と呼ばれる消化器疾患はしばしばビタミンE吸収不良を起こすため、ビタミンEのサプリメントが必要である

<やけど> やけどの部位にビタミンEを塗ることは痛み止めと創傷治癒に有効である。瘢痕形成を減らす。日焼けにも有効である。 <免疫機能> Dr.チェラスキンは免疫機能の面で32項目で効果があると報告している。800単位/日の天然ビタミンEの摂取は3週間続けると免疫機能が改善する。 <アンチエイジング(長寿・白髪)> ビタミンEを接収している人は長生きすると報告が2万9千人の男性喫煙者を対象に19年間の研究で報告されている。国立ガン研究所(米国)は「ビタミンEは癌を味目、循環器疾患を含め全死亡率を減少させている。 加齢は活性酸素によるものである。体内で活性酸素が発生すると、他の分子に反応し変形や破壊を起こす。白髪は加齢による変化だが、ビタミンEを数年内服することで白髪から回復することが報告されている。 <摂取量> 健康人では200-400/日で十分であるが、何か健康で不安のある人や問題のある人は800単位/日もしくはそれ以上を勧める。病気のある人はもっとそれ以上必要である。ハンチントン病の患者に対し著者は4000単位/日をナイアシンとともに投与した経験がある。よく栄養を考えた食事をしても1日100単位/日程度しか摂取はできないであろう。食事から十分な量を摂取することは困難でありサプリメントで摂ることを勧める。 天然ビタミンEはD型(d-alpha tocopherol)であり、合成ビタミンE(dl-alpha tocopherol)は8種類が混在していて、D型は12.5%含まれている。天然ビタミンEは植物の油から作られるが、合成ビタミンEはコールタールから合成される。ビタミンEによる治療がうまくいかない人は十分な量を取っていない、もしくは天然ビタミンEを使用していない、その両方である。心筋梗塞患者に合成ビタミンEを300mg内服させたが効果は認めなかった。Dr.シュッツらは心筋梗塞の患者へは天然ビタミンEを4倍程度内服することを勧める。 <潜在的な副作用> 抗凝固作用があるため、抗凝固薬を内服している人は事前に医師に相談する必要がある。 ビタミンEを内服することで抗凝固やくの必要性は減るであろう。リウマチ熱の患者の場合、Dr.シュッツらは90単位/日から開始し、ゆっくり増量した。同様に心疾患患者でも少量から開始しし、最終的には800-1200単位/日まで増量した。ビタミンE内服による死亡例はない。安全で毒性はない。Dr.シュッツらは8000単位/日の内服でも害は認めなかったと報告している。

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